2006年07月25日
◆大津市坂本・日吉大社、勇壮な山王祭(七)

◆大津市坂本・日吉大社、勇壮な山王祭(七)
◆◇◆日吉大社の山王祭、酉の神事、山王祭の源流2:東本宮の神体山信仰(磐座信仰)と西本宮の樹木信仰(榊信仰)
大山咋神は「日枝の山に坐す」とされるように、比叡山の地主神であり、比叡山主峯の東斜面やや北寄りに突き出た山塊・八王子山を神体山とする山の信仰の神である(金大厳を磐座とする信仰)。
八王子(牛尾、小比叡・波母は釈迦岳とも)山の山頂には牛尾神社・三宮神社(神体山の夫婦神)があり、麓の東本宮(大山咋神)と樹下神社(鴨玉依姫命)の奥宮(荒魂)として鎮座する(夫婦神の山宮・里宮として4社)。
八王子山は比叡山のの東に突き出した尾根の一つで、八王子(西本宮に祀られる三輪の神がこの地へ来た時、八人の童子が天からこの山に降りて田楽を奏してもてなしたという故事による)山自体が神体山信仰の対象であると同時に、比叡の主峰に対する遥拝所の位置でもある。
山王祭の「午の神事」では、八王子山山頂のの牛尾神社・三宮神社(神体山の夫婦神)の2基の神輿を里に下ろして、東本宮の拝殿に並らべられて結婚の神事が行われる。これも山の神の信仰の特有の性の祭典であり、由来の古さが窺われる。
麓の樹下神社(十禅師社、八王子山を背に東面し、本来神体山の遥拝所であったのか?)には、床下の御神体を祀る位置=内陣の真下に井戸があり、そこは一年中清水が湧く神泉である。この樹下神社は元々泉を神として祀る自然信仰が、後に巫女が聖泉のそばで託宣をする旧儀へと発展したものと考えられ、後にその上に社殿が建てられたものであ。
東本宮の古代信仰には、山の神の妃が泉の女神であるという、古代の近江の人々が思い描いた美しい神話が見られ、東本宮の神々には、このような山と泉の色彩が強く見られる。
また、こうした神体山・磐座・磐境などの古代信仰の遺跡は、古墳時代のものと考えられる(日吉大社の境内には夥しい数の後期古墳があり、日吉大社の前身もこうした古墳を築いた古代豪族=和邇系氏族・漢人系氏族などによって始められようだ)。後に東本宮系神社は、賀茂系神官や巫祝が勢力を持つようになった。
西本宮の神々は、湖水の彼方から来訪する神としての特徴があり、樹木信仰(榊信仰)の色彩を強く持っている。日吉大社の古縁起の断片が中世の書物の幾つかに伝えられている。それによると、西本宮の三輪明神は大津から地元の漁夫の船に乗って唐崎に到着し、唐崎の松の上に出現して神主の祖先の宇志丸に迎えられたと伝えている。
西本宮系の祭りの行事の中には、このような伝承が深く関わっており、神輿を乗せて湖上を廻る「船渡御」は湖上来臨の伝承と関係が深いようだ。山王祭の「大榊の神事」は、大榊の行列を大津から迎える行事であり、そこには松の樹上に出現したとする信仰(樹木に宿る神霊を迎える信仰)が窺える。
このように、日吉大社には、さまざまな信仰形態が重なって見られる。その要因として、古くから比叡山の神・大山咋神(山末之大主神)の信仰があった上に、近江に遷都した天智天皇の御世に大津京の守護神として大和国から三輪の神を迎えて、この境内に祀ることとなったという複雑な祭祀形態によるところが大きいようだ。平安時代に入ると、天台宗総本山の延暦寺の地主神として神仏習合の儀礼が行われるようになった。(※注1)
※参考Hints&Notes(注釈)☆彡:*::*~☆~*:.,。・°・:*:★,。・°☆・。・゜★・。・。☆.・:*:★,。・°☆
(※注1) 日吉大社は、大和の三輪神、正式には大神神社の主祭神・大物主神という有力な神を迎えて社格が高まる。これを支えたのが近江臣という豪族である。近江臣といえば、継体天皇二十一年(527年)、近江臣毛野は軍兵6万を率いて任那に渡り、新羅・百済の侵略に対抗して任那を守備したが成果を得ず、朝廷より召還され、帰朝の途に対馬で没した。
さらに崇峻天皇二年(589年)には東北の蝦夷を視察するため近江臣満が東山道に派遣された。近江臣は近淡海国造とも記され、5世紀ごろ和邇氏とも同族関係を結び大津京遷都には天智天皇に協力したと考えられるが、壬申の乱で近江王朝方に立ったため滅亡しま。
スサノヲ(スサノオ)
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